不整脈について
不整脈とは、脈の打ち方の異常です。 不整脈の症状あるいは不整脈の自覚と言われるものには、「動悸」、「脈を測ると遅い、あるいは、速い」、「飛ぶ」、「不規則」など様々なものがあります。 また、自覚症状は全くなく健診などの心電図で「不整脈」を指摘されることもあります。
原因
「脈」とは、心臓から押し出される血液の拍動が血管に伝わって感じられるものです。もし心臓のリズムに異常が起きれば脈は乱れますが、不整脈は心臓が悪いから起こるというわけでもありません。
不整脈の原因としては、年齢に伴うものや、体質的なもの、が圧倒的に多いです。年をとるにつれ、だれでも少しずつ不整脈が増えていきます。ストレス、睡眠不足、疲労などでも不整脈は起こりやすくなります。
放っておいてもよい不整脈が大半ではありますが、本当にそうかどうかは検査する必要があります(ホルター心電図、心エコーなど)。
不整脈の種類、出現する時間帯や出方、心臓機能に異常があるかどうかはしっかり確認しておく必要があるのです。
種類
不整脈は大きく分けて3つの種類があります。脈の遅くなる「徐脈」、速くなる「頻脈」、脈が飛ぶ「期外収縮」です。
不整脈の症状の中で意識消失は最も危険です。
この場合は、一時的に心臓が止まっているか、または異常な頻脈で心臓のポンプが機能していない可能性があります。意識消失を経験した場合は、できるだけ早く病院を受診して、精査・治療を始める必要があります。
意識消失や息切れを起こすような徐脈の場合は、ペースメーカー植え込みが必要となることがあります。
突然始まる動悸も重要です。
この場合は頻脈が起こっていると考えてよく、「脈拍数が1分間に120以上で、突然始まり、突然止まる」、または「まったく不規則に打つ」ものは、病的な頻脈(頻拍)と考えられます。
この「頻拍」が心室から出ている場合(心室性頻拍症)は要注意です。血液は心室から全身へ送り出されるため、血液が全身に回らなくなることを意味します。
もうひとつ、よく見られるけれども注意が必要となるのが心房細動です。
心房細動では、不整脈のために死に至ることはまずありませんが、心房細動の状態が続くと、心房の中に血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが脳にとんでいって、脳塞栓(脳梗塞)を起こすことがあります。また、心房細動で頻脈が続くと心不全を来します。
一方、病的なものではなく、呼吸のような生理的な反応によっても脈の速さは変わります。
興奮や緊張、運動や体温の上昇でも脈は速くなります。不安がつのってしまうと、脈はどんどん速くなってパニックになってしまう人もいます。
脈がたまに飛ぶ程度の人や、症状のない徐脈は心配のないことがほとんどです。脈の乱れを自覚した時(自覚できる時)は、まず自分を落ちつけることが大事です。