院長コラム
院長 杉山 志保
【ご挨拶】
早いもので開院し3年がたちました。私事ではありますが、平成27年11月をもって50歳になり、医者になってから四半世紀を迎えようとしております。
この3年間、大勢の方との出会いがありたくさんの人に支えられてここまできました。「全身全霊で患者さんのために」と意気込んでも自分一人では何もできません。患者さんのために一生懸命になってくれるスタッフがいて初めて、信念を曲げることなく歩むことができました。
受診される患者さんたちは、一人一人違います。年齢・性別・性格・生活習慣、一人として同じ方はおられません。薬であればその患者さんに一番あったものを選択し、検査であればその患者さんに必要なものを選択する。例え大勢の患者さんがいらしても、決して多対一ではなく、あくまでも一対一です。
目の前におられる患者さんにとって一番よい診療をするべく、心のすべて知識のすべて経験のすべて、自らが得た全てを駆使して、これからも当院の大切な仲間達と心を一つにして進んで行きたいと思っています。
5年たっても10年たっても、自分がどんどん年をとっても、医療者としての大切なものを決して忘れることなく精進していきます。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
追伸:日によっては、かなりお待ちいただく時もございます。当院には開院時から図書館をイメージして書籍を並べております。古い物から新刊までいろいろあります。お手にとっていただければ幸いです。
H27年9月 杉山志保
【ご挨拶】
H29年になり、この9月で杉山循環器クリニックも5周年を迎えます。
2年前に、「50歳」になると言っていた自分も、知らないうちにその年齢を過ぎてしまいました。
3周年の時にも感じていたこと、そして、5年になりさらに強くなった想いがあります。
年を経るにつれ、当クリニックを頼ってくださる患者さんが増えています。日々身の引き締まる思いがしています。
ただ、その分忙しくなり、患者さんをお待たせしたり、不自由な思いをさせていることを申し訳なく思っております。
そんな中、できるだけ患者さんにとって無意味な時間やお金を使わせないように、頭と心をフル稼働し走り回ってくれているのが、当クリニックのスタッフたちです。
循環器という科の特徴でもありますが、患者さんの症状をしっかりとおききすることが検査や治療を検討する上で非常に大切になってきます。そのため、予約の電話も含め、診察室に入る前にお話しをうかがうことが多くなります。
限られた時間の中、他の患者さんもいる中で、全方向に目と耳と心を配りつつ動いているスタッフには、本当に頭が下がります。
自分たちの体調が悪い時も、つらい時も、哀しい時も、それを表に出さないよう笑顔で動き回ってくれています。
共に働いてくれる杉山循環器クリニックの仲間。彼女たちが私の宝です。
これからも、杉山循環器クリニックの医師として、「心と知識と経験のすべてをもって」診療していきます。
杉山循環器クリニックの院長として、ここで働いてくれるスタッフを自分のすべてで守っていきます。
これからの3年後も、5年後も、杉山循環器クリニックの想いはただ一つ。
患者さんに「一番よい」診療をすること。
もしかしたら、それは患者さんにとっては「一番望むこと」ではないかもしれません。
それでも、その患者さんに「一番よい診療をしようとしている」ことが伝わるよう努力していきたいと思います。
いつか、その想いが、言葉なしでも伝わるような、そんなクリニックの雰囲気を作れるよう、これからも私の大切な仲間達と心を一つにして進んで行きたいと思います。
これまで出会った本当に多くの人々のおかげで、ここまでやってこれました。
心から心から感謝いたします。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
(趣味は読書。好きなのは「ジュビロ磐田」と「千葉ロッテ」と「ディープインパクト(馬)」
苦手なことは、買い物と外出。一番ないものは女子力です。そんな杉山ですが、よろしくお願いいたします。)
H29.5月 杉山志保
【2019.9月 ご挨拶】
杉山循環器クリニックも開業して7年がたちます。
ここを信頼して受診してくださる患者さんも大勢になり、お待たせする時間が増え、また診察中に長くお話しできなくなっていることを申し訳なく思っております。
診療に欠かせないのが、患者さんからの情報です。ほんの小さなことが実は病気に影響しているということも少なくありません。短い時間でそれをおききし、判断することはとても難しいことです。
電話や待合で、杉山循環器クリニックのスタッフがいろいろおききするとは思います。
お電話をいただいてもなかなか時間がとれなくて、折り返しの電話までに時間があくこともあるかと存じます。
それは、スタッフたちが、患者さんにとっての一番よい方法を仕事で走り回りながらも、頭をフル回転させて考えに考えているためです。
限られた時間の中で誰かに時間を使うことは、他の誰かの時間を削ることになります。できるだけ誰にもしわ寄せがこないよう必死になっています。どうかご容赦お願いいたします。
H29年の5周年の時にもお話ししたように私には本当に心強い仲間がいます。
全力でサポートしてくれる私の大切なスタッフたち。
患者さんが、駐車場に入って、薬局さんへ向かうまで、待合室でも検査中でも、目と耳と、心と頭と、知識と技術と経験を日々フル回転させてくれています。
彼女たちスタッフが支えてくれることで、私は患者さんに一番必要なことを判断することができます。
時には「患者さんの望むこと」と違うことを言わなければならないこともあります。嫌われるような事や辛い言葉も発しなければいけないこともあります。
また、せっかく当院を選んでくださっても、話をうかがって他の科の受診をお勧めすることもあります。それはその方が今後のことも考えた上で圧倒的に患者さんのためになるからです。
杉山循環器クリニックで働いている時、全員が「患者さんのため」だけにその時間を生きている。自信をもって言えます。信じていただいて大丈夫です。
杉山循環器クリニックの院長として、自分に、そしてスタッフに課しているのはこれだけです。
『利は患者さんに、理解は周囲に、自分には厳しさを』
これだけとは言っても、実はとても難しいことです。
【患者さんに、一番必要なことを選ぶこと。そして無意味な時間とお金を使わせないこと】
今だけではなく今後のことも考えて、あらゆる面から検討し、その検査や治療が必要だということを理解してもらえるスキルを身につけなければいけません。不断の努力が必要となります。
【共に働く人を常に理解するように努めること】腹のたつことも、自分の意見とあわないことももちろんあります。でも、「利は患者に」を全員が芯に据えていれば、意見が違っても理解できます。相手を理解し、「自分のため」ではなく、「患者さんのため」に討論して、「患者さんのため」に最もよい方法を選ぶ。それをすすめるためには忍耐と冷静さが必要となります。
【常に自分に厳しくすること】人のせいにしないこと。嘘をつかないこと。隠さないこと。努力すること。これは、杉山循環器クリニックを信頼してもらうために、絶対に欠かせないことだと思っています。
患者さんのためを思っての言動については、クリニックに不利益になったとしても、誤解が生じて患者さんが怒って帰ってしまったとしても、私はそれでスタッフを責めるようなことはしません。
でも、医療を担う上で『利は患者さんに、理解は周囲に、自分には厳しさを』から逸脱した時、おそらく私はとても怖い。
ただ、私のスタッフたちは、『院長が怖い』からではなく、彼女たち自身が持つ資質によってそれを行ってくれています。
だからこそ、私も襟を正し、彼女たちに支えてもらうに恥ずかしくない院長でいようと思っています。
2年前のここでも、書きました。
そして今も同じように言えることに心から感謝します。
共に働いてくれる杉山循環器クリニックの仲間。彼女たちが私の宝です。
そんな杉山循環器クリニックを今後ともどうぞよろしくお願いいたします
2019.9月 杉山志保
【コロナ禍に想う】
杉山循環器クリニックも昨年(2020.9月)で9年目に入りました。
その「2020年」はコロナによって世の中は一変しました。
当院には心臓疾患、動脈硬化性疾患、生活習慣病などをかかえた多くの患者さんが通院されています。患者さん達が、コロナ感染のリスクにさらされないためにどうしたらよいのか、スタッフ全員で話し合いを重ね、患者さん達に最もよいことは何かをとことん考えました。
ほんの少しの環境の変化で重症化する疾患の患者さんもおられます。
今までは、総合病院と連携をとり、必要なら早めに入院することも可能でした。
しかし、現在総合病院はコロナ対応に追われています。総合病院が大変な状況だということは、患っている疾患が悪くなっても受け入れてはもらえないかもしれないということです。悪くなってから入院し、入院が長引いても家族との面会も限られます。
「どんなことがあっても病気を悪くしてはならない」。それはコロナ禍でなくてもそうです。しかし、この一年半はほんのわずかな変化も見逃さないようにと、短い時間診療時間内で、集中し続けました。総合病院や他院との連携もコロナ禍以前とは変化してきます。
患者さんの状況を、初めて受診する他病院へもすぐ伝えられるように、今まで以上に神経を使いました。自分の診ている疾患以外の情報も詳細に得、まとめることに費やした時間は、診療時間外に6時間を超えることも多々あります。予習に3時間、復習に3時間、まるで学生時代のようです(学生時代の経験はこういう場で活きてくるのだと実感します)。
当院のスタッフも全員日々集中し、神経を使い続けています。
患者さんとの電話や何気ない話の中で、細かい情報を得、重要なことを選び取り、判断し、一番よい選択をしなければなりません。感染対策をし、ひっきりなしに消毒をし、待合で「密」にならないため、できるだけすみやかに動かなければなりません。
いつもより情報を多く集めなければならない状況で、いつもより時間を短縮しなければいけないという矛盾を抱えながら、発熱や感冒に対する案内、最近ではワクチンの案内までも、診療通常業務と同時進行で行わなければなりません。
コロナのワクチン予約については、わずかも無駄にしないよう、苦労に苦労を重ねて予約をとってくれています。ワクチン接種時も一人一人の薬や治療経過等を確認し、接種し終わった人のわずかな変化も見逃さない様に全員で集中し観察しています。
ほんの一握りではありますが、電話をかけてこられる方の中には、スタッフに対し心無い言葉を浴びせる方もいます。
それらすべてに対し、心身をすりへらしながら、頭をフル回転させ、迅速に動きまわり、情報を共有し、協力し合い、そうやって必死でこなしている当院のスタッフには本当に頭が下がります。心から敬意を表します。
彼女たちスタッフがいてはじめて、私は診療に集中し、患者さんのことを一番に考えることができます。
患者さんの「病気が悪化していない」、「よくなっている」、「日々平和にくらしている」、「辛い症状がでていない」、それが医師である私にとってなによりの幸せです。
そして、このコロナ禍にあって、次に受診されるまで「どうかどうか悪いことが起こりませんように」と心から願いながら、『お大事にしてください』と言葉をかけています。
患者さんが診察室から出られる時、私に「ありがとう」と言ってくださいます。
私自身、とてもとても癒される瞬間です。
どうかその言葉を、私の大切なスタッフにかけてほしい。
その「ありがとう」を一番に受けるべきは、スタッフ達です。
私たちは医療者です。感染の媒介をするわけにはいきません。感染対策の見本を示さなければなりません。私もこの1年半、仕事・通院以外では週に1~2回スーパーに行くのみです。
スタッフも常に常に常に我慢をし、不自由を強いられても、自らを律し頑張ってくれています。
一刻も早くコロナが終息しますように。スタッフが自分の時間を自由に使えるようになりますように、願ってやみません。
ワクチン接種が進んでも、まだまだ油断はできません。
私を力づけてくれる言葉をここに記して、自ら選んだ道を、信念をもって一歩ずつ一歩ずつ踏み出していけるように頑張ろうと思います。
『患難は忍耐を生み、忍耐は練達を生み、練達は希望を生む。
そして希望は、失望に終わることがない』
『どの道にもそれぞれの苦労がある。どれだけ歩いたか気にせず、愛をこめて歩め』
2021.6月 杉山循環器クリニック 杉山志保
【2022年9月 ご挨拶】
杉山循環器クリニックを開業し10年がたちました。
ここまでこれましたのも皆様のおかげです。
本当に感謝しております。
杉山循環器クリニックの面々も年を重ねてまいりました。
私も57歳になります。これから体力も低下し、記憶力も低下していくでしょう。積み上げられるのは経験のみです。
でも、年をとることによる「衰え」自体を否定したり、抗ったり、嘆いたりするつもりはありません。それを受け入れた上で、現在のパフォーマンスを続けるために必要なのはなにかを考え、実行していきたいと思っています。
衰えを嘆くことに時間を割くくらいなら、診療のレベルを質を落とさないための方法を考えます。落ちていくなら、別の方法で支えればいい。落ちないものは、さらに高くすればいい。そう思っています。
院長としての自分に対し感じる恐怖・年齢に伴う最大の衰えは、努力や忍耐ができなくなること、人に思い込みを押し付けること、です。
そんなことは絶対にしたくないと思っていても、それを自分自身に問いかけられなくなるのが年齢的衰えだと思うのです。
それを指摘し、正しい方にいつも導いてくれる、支えてくれるのが、杉山循環器クリニックのスタッフ達です。
これからの杉山循環器クリニックがずっと患者さんから信頼され、周りの病院や診療所から信頼され続けるにはどうしたらいいかをともに考えてくれるスタッフ達です。
この数年はコロナ禍で、どうすれば自分の信念に従って診療ができるか模索しながらの日々が続いています。
入院もままならない状況なら、今の病状を絶対に悪くしてはいけません。
わずかの変化も見逃さないように聞き取り・診察し・検査をし、なおかつ他の人も無意味に待たせないように、時間的にも金銭的にもできるだけ患者さんの負担を少なくするように、私もスタッフも必死に考え動いています。
私たち杉山循環器クリニックの者が、患者さんにお聞きすること、お願いすることは、一つとして無意味なことはないのだと、信じていただければ幸いです。
私事ではありますが今年子供たちも社会人となりました。
「人の人生に関わり、人の役に立つことを第一義とする。その覚悟がなければ医療者になってはいけない」と言ってきました。
夜中の呼び出し、患者さんの具合が悪ければ休日も出勤、すぐもどれない所には出かけられない等々、子供たちには随分寂しい思いをさせてきたと思います。主人にも私にも、ひっきりなしにかかってくるcall。それに対応し、飛び出していく姿を目にしながらも、子供たちは自分の仕事に医療者を選択しました。それをみて、そんなに間違った生き方はしてこなかったかなと、親として少しは自分に自信が持てた気がしています。
これからは、医療の先輩として少しでも見本になれるような生き方ができればと思っています。
10年がたちみんな年をとってしまいましたが、診療の質が落ちないよう、さらに良くするようにこれからも努力していきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
2022.9.6 杉山循環器クリニック 杉山志保
【2024年8月 ご挨拶】
6月から厚生労働省により、「高血圧症・脂質異常症・糖尿病」を主とする生活習慣病に対し、質の高い疾病管理を推進する観点から、生活習慣病管理の見直しが行われることとなりました。
当院でも、2024/6/1より生活習慣病及びそれにより発症すると考えられる疾病の予防について書面をもって説明しています。
生活習慣病とは、生活していく上で、闘うものでもありつきあっていくものでもあります。
患者さんはひとりひとり病状も生活環境も異なります。それぞれの患者さんに沿うように、生活習慣病とその合併症のリスクの度合いを考え、説明し、今後の療養計画をたてて共有する。それは、事前準備も含めて気の遠くなるような作業でした。
しかし、患者さんに自分自身の生活習慣病と向き合ってもらい、重篤な合併症にならないよう確認しあうことは、ある意味とてもやりがいのあることでした。循環器の医師として、生活習慣病による重篤な合併症・心筋梗塞や心不全などの心疾患の「盾」になろうとさらに強く感じるようになりました。
説明に時間を要することで、いつもより待ち時間が長くなってしまい大変心苦しかったのですが、皆さん嫌な顔をすることなく接してくださり、本当にありがたかったです。心より感謝いたします。
以前から申し上げているように、当院に来られる患者さんには、その方にとって最適の診療をしたいと思っています。そのため長くお話をうかがったり、できるだけ多くの情報を集めるための手順を踏むことがあります。
また、一刻を争う疾患の可能性が高い場合や他の専門領域の可能性が高い場合は、患者さんに無意味な時間をとらせないため、他への受診をご提示させていただくこともあります。その点はどうぞご了承ください。
再度お伝えいたします。私たち杉山循環器クリニックの者が、患者さんにお聞きすること、お願いすることには、一つとして無意味なことはないのだと、信じていただければ幸いです。
私も医師となって33年がたちます。杉山循環器クリニックを開業してもうすぐ12年がたとうとしています。
医療をとりまく環境も日々変わっていきます。
変わらなければいけないこと、変わらずにいるべきこと、見極めるのも難しくなっています。
・変わらなければいけないこと。
新しいこと・良いことはどんどん取り入れ、質のよい診療をするための努力を怠らないこと。
・変わらずにいたいこと。
「嘘をつかないこと、人のせいにしないこと、誰もみていなくても正しい行いをすること」、
その「正直さ」と「誠実さ」であらゆる方向から信頼を得るクリニックであること。
忙しさの中で、流されたり、小さな誘惑に負けそうになったり、面倒くさくなることなど多々あるでしょう。
それでも、自分を律して、努力する。
杉山循環器クリニックとしてここに記し、改めて心に刻みつけようと思います。
これからも、「正直に」「誠実に」、どんな方にも最適の診療を受けていただくための努力をしていきます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
2024.8.1 杉山循環器クリニック 杉山志保
院長プロフィール
略歴
- 1991年浜松医科大学医学部卒業
- 1998年循環器専門医取得
- 1999年医学博士号取得
- 2012年杉山循環器クリニック開院
所属学会・資格
- 日本内科学会所属
- 日本循環器学会所属
- 循環器専門医 医学博士